第7回 牛肉の格付け 編

学問所通信 特集コーナー

お肉マイスターの九州食肉学問所の山崎学長です。今回の特集ページでは、牛肉の等級についてまとめてみました。ぜひ御覧ください。

第7回 牛肉の格付け 編

牛肉の値段を決める牛肉の格付け

牛肉の等級は複雑怪奇

前回は牛肉の流通の仕組みをご紹介しました。
豚肉もほとどんど同じ仕組みなのですが、大きく変わるのが「牛肉の格付け」です。

取引される牛肉の値段はこの格付けに大きな影響をうけます。豚肉もそうなのですが、
牛肉の等級はまことに複雑怪奇な面もあります。


取引される枝肉には、その格付けをあらわす焼印がおされています。

格付けされる組み合わせは全部で15通り

「A4」とか「A5」とかみなさん聞かれたことがあると思います。
これが格付けなんですね。

前半のアルファベットの部分は歩留り等級といって、一般消費者には直接は関係のない格付けです。A、B、Cの三段階あります。

後半の数字が肉質等級といって、5、4、3、2、1等級があります。

この歩留り等級と肉質等級の組み合わせは
15通りあります。
みなさんご存じの通りA5が最高です。


当店は5等級を購入したことがないので(笑)、ざっと4等級から1等級までの
写真をお見せするとこんな感じです。(左写真)

見た目ではっきりわかるのは、「霜降りの多さ」ではないでしょうか。
等級がよいほど、霜降りの量とキメが細かくなっていきます。

等級が高ければ値段が高い。農家さんはやっぱり5等級を目指して一生懸命育てるわけです。


当店のブランド「九州南蛮渡来牛」も赤身を楽しむ牛肉ですが、生産者からしてみれば安い「2等級」程度に格付けされてしまい、なかなか採算にあいません。

販売する肉屋からしても、霜降り牛肉以上に値段をつけるのは難しいところです。

しかしながら、いま巷では赤身ブームです。
景気が悪いということもありますが、霜降り肉はなかなか売れません。

楽天などでも霜降り肉の安売りでいっぱいです。
そして赤身肉は人気がでたため、じょじょに値段が高くなっています。

赤身肉の価値をあげて販売するために、いま熟成牛肉がブームとなっています。
ドライエージングビーフというものを聞いたことがあると思います。

また赤身肉はやはり固いという面もあるため、グリルで蒸し焼きにしたりするBBQも人気がでています。

もっと詳しく牛肉の格付けを知りたい方へ

牛肉の格付けは歩留等級(A、B、C)と肉質等級(5、4,3,2,1)
の組み合わせで決まります。


歩留等級は
お肉についている脂身の量です。脂身の量が少なくければお肉が取れる量も多くなるため、評価も高くなります。

肉質等級は次の4つで決まります。

・牛脂肪交雑基準(B.M.S)
・牛肉色基準(B.C.S)
・牛脂肪色基準(B.F.S)

そして、
・肉の締りおよびきめ

です。

これらをそれぞれ5等級に分類して、
項目別のうち、もっとも低い等級に格付けします。

つまり、脂肪交雑、肉色、脂肪色が5等級と分類されても、肉の締りおよびきめが4等級と
格付けされると、その牛肉は4等級という評価になります。