第4回コラム:糖質制限の仕方~上級・簡単!薬いらずの糖尿病改善(予防)法

三島学先生
糖質制限食コラム
子供の糖質制限

第4回コラム
糖質制限の仕方~上級・簡単!薬いらずの糖尿病改善(予防)法

三島先生出版記念パーティーの様子 2018.10.14 (Modern Mexicano MUCHO in Tokyo)

 日本人の80%は2型糖尿病になると言われています。そういえば、会社の仲間や親戚の方など、周囲に糖尿病患者は簡単に見つかります。

 「糖尿病です」と言われても、痛くもかゆくもないので、つい治療が遅れがちですが、糖尿病が怖いのは、今の日本糖尿病学会の標準治療そのものが世界に遅れており、素直に従うと、改善どころか、その先にさまざまな合併症が待ち受けていることです。次兄はその犠牲者の一人です。そして、意外にも、運転中の居眠りによる事故やうつ病なども糖質摂取による低血糖症によるものなのです。

この原稿を書いている折しも、2017年3月の群馬の防災ヘリ墜落事故の調査報告が配信されました。なんと、事故の原因が「パイロットの居眠りではないか」と言うのです。墜落時間が午後1時45分ですから、食後の眠気が襲う時間帯です。たしかに符丁が合います。搭乗していた9人の方々は、みなさん、山岳救急のベテランぞろいだったそうで、関係者は大きなショックを受けています。

  

ところで、糖尿病が他の病気と大きく異なるのは、「痛くもかゆくもない」ということです。なんとなくだるいとか、手足が冷える、しびれる、肩がこる、視力が落ちた、性欲が減退したなどの症状は、実は、糖質を摂ることで起こる「血糖スパイク」で毛細血管が傷つけられることが原因ですが、それが朝昼晩の食事に加え、おやつや夜食での糖質の摂りすぎが原因だとはなかなか思いつかないものです。

 また、健診で糖尿病予備軍と言われても、積極的に糖質を控えようとは思いません。もちろん、まじめに教育入院をして日本糖尿病学会の標準治療を受けると、インスリン注射を勧められ、5~6年後にはもれなく人工透析を受けることになり、遂には、失明、手足の切断、心筋梗塞、脳梗塞と重度の合併症に苦しむことになります。
そういう私も、予備校講師時代は昼食後の眠気を覚ますために、糖質たっぷりのコーヒーや糖質とカフェイン入りの栄養ドリンクを飲んでいました。今思えば、火に油を注いでいたようなもので、なんとも恐ろしいことをしていたものです。今では、大好きなコーヒーにバターやMCTオイルを入れて飲んでいますが、1日14時間、年中無休の指導にまったく疲れを感じません。

 さて、糖質制限は糖尿病食として始まりました。「糖尿病=肥満」(痩せ型のかくれ糖尿病もありますが)ですから、糖質制限で糖尿病が改善すると同時に肥満も解消するわけです。そこに目をつけたのが「糖質制限ダイエット」です。

 桐山秀樹さんは、糖尿病と診断されたとき、担当編集者から江部康二先生を紹介され、糖質制限を始めました。糖尿病を改善した際に肥満も解消したことから、仲間を集い、「親父ダイエット部」を立ち上げました。その活動をまとめた本「おやじダイエット部の奇跡」(2012年・マガジンハウス)がベストセラーになったことで、糖質制限がブレイクしたのです。

残念ながら、桐山さんの仕事は、ホテルやレストランのルポライターです。食べることが仕事です。まだまだ糖質制限食に絞った仕事が入ってくる時代ではありませんでした。いわゆる糖質摂取の「高血糖の記憶」が高じてお亡くなりになりました。
余談になりますが、当時、日本の糖質制限の第一人者が亡くなったということで、台湾では新聞報道がなされましたが、そのとき使われた写真がなんと江部康二先生だったという、笑うに笑えない話があります。

 また、週刊現代が、このことを記事にして、「それ見たことか、だから糖質制限は危ない」と書き立てたので、糖質制限実践者で効果を体感している人にも、一抹の不安がよぎりました。しかし、翌週、パートナーである吉村祐美さんが週刊文春に反論記事を書いたことで一件落着しました。「うちのパートナーは、厳密な糖質制限はしていませんでした。」と。
そうです。桐山さんが、「糖質セイゲニストin北九州」の勉強会に参加されたご縁で、京都のレストランでの雑誌の取材や、唐津のおくんちにご一緒させていただきましたが、目の前に並ぶご馳走や飲み物がすべて従来型のもので糖質制限食ではなかったので、「どうしたものか」と顔を見合わせながらお付き合い程度に頂いたものです。

また、桐山さんは、おそばが好き、玄米食も少量頂くというのが日常でしたから、その点でもパートナーがおっしゃったことは当たっています。

さて、私の場合、糖質制限効果と言えば、なんと言っても、糖尿病のコントロールがうまくいっていることがあげられます。昔の基準で、Ⅲ期のCまで進んでいましたから、人工透析の一歩手前まで進んでいたことになります。それがこの6年間、「江部式・スーパー糖質制限」で糖質を1食あたり20g以下に“制限”することを守るだけで、服薬や通院の必要も無くなり、今では糖尿病だったことを忘れてしまいそうです。お酒も、焼酎、ウィスキーなどの蒸留酒か、フルボディの濃い赤ワインや、糖質制限ドットコムの低糖質シャンパンなどを選ぶことで、毎晩、規則正しく飲んでいるのに、健診の検査値は優等生です。

 1型糖尿病でさえも、勉強会の仲間は糖質制限と最小限の服薬とインスリンで上手にコントロールしていますし、小学6年生の塾生も普通の生活を送っています。私が糖質制限を始めた6年前なら、Ⅰ型と聞くだけでも恐れられていたのが、ずいぶん進歩したものだと思います。

 他にも、糖質制限で良かったことがたくさんあります。私自身は蓄膿症、歯周病が改善し、老眼が回復したことや髪が黒くハゲないことがあります。勉強会の仲間は血圧が安定していること、がんの進行を抑制できていること。塾生たちは、心身ともに健康で、身長も伸び、成績や運動の記録が向上したことなどがあります。

 食事から、主食(ご飯、パン、麺類)を抜く、その分、肉、魚、卵を「体重の7.5倍」(理想体重が50kgなら×7.5倍=375g/日)程度しっかり食べる。腸内環境を整えるための野菜も適量食べる。糖質オフのお酒も飲める。面倒なカロリー計算の必要もない。おいしく楽しく糖質制限を続けるだけで、免疫が強化されるのでインフルエンザにもかからない、脳梗塞、心筋梗塞やガンにもなりにくいのです。

こんなにすばらしいことを知らずに、日本人は米を食べてきたから、みんなが食べているから、糖質を摂らないと身長が伸びないから、脳の栄養は糖質だからなどと糖質過剰の食生活を続け、その結果、体調が悪い、気分が優れない、子供が不登校になったと悩んでいるなら、それこそ無知ゆえの不幸だと私は思います。

今月のレシピ:「ボーンブロスの卵とじ」

ボーンブロスが体に良い、わかっていても、そのために台所に釘付け。そんなことができる人は限られています。そこで簡単にできるボーンブロスをご紹介します。塾生は夕食時に必ず飲んでいます。使用している手羽先は、なんと、山崎社長からのプレゼントです。
朝の水分補給や就寝前のたんぱく質補給には、卵とじでさらにパワーアップです。

ボーンブロスの卵とじ

材料(2人分)

鶏手羽先 4本
水  カップ2杯
塩    小さじ1
卵    2個
お好みで、小ねぎ

作り方

1手羽先を軽く洗い(塩もみするレシピもあります)、なべに、分量の水、塩とともに入れて30分ほど煮る。
圧力鍋の場合、シューシューと音がしてきたら、火力をメモリの10の4にして、5分程度で完成!

2スープができあがったら、とじた卵を回しかける。

3お好みの硬さに火が通ったら、器に移してお好みで小ねぎなど青みを添える。
※スープは作り置きができるので、多めに作って冷蔵庫で保存しましょう。4~5日は持ちます。
※体調不良で食欲がないときなどの水分補給にもお勧めです。

学長の一言

第4回目のコラムとなりました。
初級編ではダイエット
中級編では生活習慣病の予防
今回の上級編では糖尿病の改善と段階的に糖質制限食の仕方を見てきました。さらに詳しい糖質制限食の仕方については専門書籍を読んでいただければと思います。すでに糖尿病などを治療中の方はお医者さんの指導のもと取り組まれることをお勧めします。

いずれにせよ大切なのは「糖質制限食への正しい理解」です。ネットの情報に流されず、自分自身と向き合って、食事の改善に取り組むことが大切です。今後のコラムはさらに深堀した内容になるようです。楽しみですね♪個人的に今興味を持っているのは「糖質制限食」&「アドラー心理学」です。

江部先生の著書
「心を変えれば健康になれる!―アドラー心理学で病気も良くなる」

三島先生の著書
マンガでわかる! 食事で改善 親が怒らなくても 自分で勉強する子に ― 糖質制限とアドラー心理学で子どもがのびる (主婦の友生活シリーズ) 」

などを読んでいただければと思います。アドラー心理学で登場する「器官劣等性」ということばに大変興味を持ちました。

簡単にいえば、「生まれ持った身体的な欠点」です。現代社会でいえば「アトピー」「喘息」や「子供の肥満」が挙げられるでしょう。このような「器官劣等性」があると、身体的な問題だけでなく、精神的にも様々な問題をもたらすことになります。そして問題を抱える子供がそのまま大人になると、社会的な生活に不都合をきたす可能性があります。

私は子供のころから肥満児でした。それが劣等感となり、対人関係や仕事において、大きなハンディキャップとなりました。長女は軽度ですがアトピーがあります。食べたものや季節的な影響などでときおり悪化します。「学校へ行きたくない」、「かゆくてイライラする」と訴えます。彼女もまた私が経験してきたような問題を抱えているようです。心と体を分けて考えることはできないとアドラーは言っています。食事の改善だけでなく、心の在り方の改善も大切ですね。糖質制限食だけでなくアドラー心理学にももっと早く出会えていたらと思うことが時折あります。アドラー心理学ってなに?という方は「アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書)」岸見一郎著を読んでみてください。

今後のコラムにも期待したいですね。

ご紹介いただいた食材

大分県産50日飼育抗生物質・合成抗菌剤無投薬どり手羽先

大分県産50日飼育抗生物質・合成抗菌剤無投薬どり
手羽先 500g真空 【冷凍品】