第7回コラム:糖質制限効果~子供の困った問題の顕著な改善

三島学先生
糖質制限食コラム
子供の糖質制限

第7回コラム
糖質制限効果~子供の困った問題の顕著な改善

このコラムの草稿は、昨年中に10回分全部を書き上げています。10ヶ月もの間、そのつど書いていると、全体としてまとまりが悪くなることを恐れたからです。もちろん、「折々の歌」(朝日新聞に、28年間毎日連載)の大岡信さんは書き溜めることはしなかったようです。「折々」のコンセプトですからそれはそうでしょう。しかし、このコラムの場合は、糖質制限についての理解を広めるためのものですから、毎回見解が変わることは許されません。根幹がしっかりしていないといけません。そうはいっても、次々と入ってくるトピックを書かないわけにもいきません。前回の大坂なおみさんのことも、ぎりぎりまで出稿を待ったからできたことです。

 今回も、締め切り間際に、某大臣の「子供を生まない方が問題だ」発言が物議をかもしました。マスコミは発言の中から自分たちに都合のよい数行を切り取ってセンセーショナルに報道します。「犬が人をかんでも記事にはしない。人が犬をかんだら記事にする」というのが彼らの本音です。実は、「高齢化や長寿化が問題というよりは、少子化の方が社会経済の活力や社会保障、財政の持続可能性の脅威になる」という趣旨だったのです。

 確かに、女性の社会進出という美名の下、労働力を家庭の主婦に求めた結果、「家庭の崩壊」が起こったわけです。「男は外で仕事、女は家事」という構図が崩れ、子供の育つ環境は悪化の一途をたどっています。「ある保育園では、保育士さんたちは妊娠出産の順番が決められている。」「待機児童55,000人。」「放課後の子供たちの居場所がない。」「お母さんが忙しくて弁当を作れないのでレトルトでしのぐ。」・・・

 数え上げればきりがないこれらの問題は、「子育ては社会の責任」を無視した、利益至上主義の資本主義社会の問題なのです。インフラ整備を怠り、子育てしにくい社会を放置している政治家や行政が、「子供を生めない」社会にしておきながら、「生まない」といったところに問題があるのです。

 余談ですが、羽田空港~東京教室間に使う京急電車では、「ドアを閉めます。ご注意ください。」と言うのでニヤリとしました。北九州では「閉まります」と言うところです。それ以来、北九州に帰るたびに、ドアが勝手に閉まるわけないよねと思うようになりました。

 閑話休題。「子供を生みにくい」、生んでも「育てにくい」、すなわち、生んだ親も生まれた子供も生きにくい世の中なのかなと思うこのごろです。ものがあふれ、見た目は豊かなのに、心も体も蝕まれているギスギスした社会になっているのです。本来、尊敬すべき先生に難癖をつけ、それを動画にとってアップする。妻や子供にDVをして死に至らしめる。

毎日、ニュースに流れるおぞましい出来事は私にしてみれば、現代社会の複合汚染なのです。

 そして、そのもっとも大きな原因は食事にあると思っています。私の子供のころの食事はとても貧しいものでした。毎日毎日、ご飯と味噌汁とお漬物に野菜炒めくらいしか食べた記憶がありません。肉、魚、卵はめったに食卓に上りませんでした。それでもお母さんの手作りの料理を食べていたので、救われていました。昔の子供は、台所、掃除、洗濯、風呂の水汲みなどお手伝いをさせられていました。私は小学4年生から家族6人の夕食を作っていました。しかし、今は、手伝いはしなくてもいいから勉強しなさいの時代です。それで料理も掃除も洗濯もできないまま大人になります。その子供もスーパーの惣菜やコンビニ弁当で育ちます。現代の食事は、化学肥料、農薬、添加物まみれ、そしてビタミン・ミネラル不足の「食べているのに栄養失調」に陥りがちなものばかりです。しかも、人体のわずか1%の構成要素である糖質を60%もとる食生活なのです。だから、子供に限らず大人でも体も心も蝕まれていきます。大人のうつ、子供の学習障害、不登校の問題が、こんなにも多い時代があったでしょうか。

 三島塾には、東大や医学部といった難関大学を目指すものもいれば、不登校の小学生・中学生もいます。同じ部屋で一緒に勉強をしています。長いときは12時間もひたすら勉強します。塾で私の糖質制限食を食べるだけでなく、家庭でも糖質制限を心がけている生徒の集中力は目を見張るものがあります。取材や来客は、一様に驚きます。わずか10畳の同じ部屋で黙々と勉強を続け、来たときと帰るときの姿勢が同じだからです。

 小学2年から5年まで、まったく学校に行かなかった小学6年生が、夏休み明けにやってきました。3ヶ月がんばりましょうと指導が始まりました。そして、3ヶ月、なんと中学受験をしたいと言い出しました。1ヶ月、2ヶ月、本当に子供が改善するのだろうかと疑心暗鬼だったお母さんもびっくりです。

 三島塾のコンセプトは、アドラーの「ほめない、しからない」に、中学男子御三家「麻布、開成、武蔵」の「自調自学」、すなわち、「教えない」に、「江部式糖質制限」です。私の仕事は、カリキュラムを作って教材を渡したり、コピーを取ったり、食事を作ったりするだけで、ときどき質問を受ける程度です。それでも、学習障害が改善し、成績が上がり、スポーツの記録が向上するのですから、不思議ではありませんか。

 子供の問題は多岐にわたるというものの、「あなたの体は食べたものでできている」と同じように、「脳も心も食べたもので左右されている」ことは明白だと思うのです。次回は、三島塾のようすをさらに具体的に書きます。お楽しみに。

今月のレシピ:「アンデス高原豚の角煮」

アンデス高原豚の角煮

実は、最近、左手に「テニスひじ」らしき痛みを感じていました。もちろんテニスどころか私は運動神経ゼロ人間です。また、69歳ですから四十肩でも五十肩でもありません。狭い台所で斜めになって調理をし、重い圧力鍋を左手で使ったことによるものではないかと、イトオテルミーの施術師小笠原正俊氏から指摘されました。それで、台所から冷凍庫を移しスペースを広く使い、圧力鍋を電気圧力鍋に変えたところ顕著な改善を見ました。

今回は、その電気圧力鍋を使った料理をご紹介しましょう。TVショッピングではありませんが、「これ一台で6通りの調理ができる」という優れものです。蒸気の音にハラハラドキドキしながら、時間を計ったり、火加減を変えたり、何かと手がかかる圧力鍋と違い、材料を入れてスイッチを押すだけ、圧力調理、無水調理、蒸し調理、炊飯、スロー調理(スロークッカー)、温め直しができるので、料理のバリエーションが増え、軽いので洗うのも楽で、すっかりお気に入りです。

材料

A:アンデス高原豚 皮付きバラ 角切り 500g
B:アンデス高原豚 豚バラ ブロック 250g×4
C:九州産豚 皮付きバラ肉 ブロック 1000g

ねぎの青いところ 1本分

しょうが 一かけをスライスする

しょうゆ 50cc

糖質ゼロ酒 50cc

水 100cc

※お好みで、「八角」などの中華調味料を加えると本格的、でも子供は嫌いです

作り方

1.Aならそのまま、B、Cなら食べやすい大きさに切る

※大きいまま料理して、テーブルで切り分けるのもお勧め

2.1とそれ以外の材料をすべて入れて、角煮のメニューボタンを押す

※15分で煮上がるが、圧力が下がるのに20分くらいかかるので余裕を持って

※時短、簡単、さらに、予約や保温ができ、音、におい、水蒸気も出ない

多めに作り、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存すれば、1週間は大丈夫
炒め物など二次利用はもちろん、おつまみ、お弁当にもよく合うので重宝する

※ジューシーポーク、手羽先スープ、ポトフ、カレー、アクアパッツァ、煮魚と試してみたが、「失敗しない」のは大門未知子以上かも

学長の一言

今回のレシピは「アンデス高原豚の皮付き豚バラの角煮」です。ゆで卵もそえれば、タンパク質と脂質はばっちりですね。青梗菜なども添えると栄養バランスがさらに良くなりますね。

また一度作って小分けして冷凍しておけば、忙しいとき温めるだけ。「時短レシピ」ですね。
電気圧力鍋を利用されています。これは便利そうですね。私は「保温調理鍋」を利用しています。 鍋に具材をいれて一度沸騰させます。 それを保温調理器に入れておくだけ。豚が柔らかくなるまで4~5時間は要しますが、この間光熱費がかかりません。お時間のある方にはおススメです(笑)さらに固いスジなんかでも一晩でやわらかくなりますよ~

さて、三島先生のコラムもいよいよ佳境に入ってきました。次回は三島塾の様子をもっとお話いただけるとのこと。とても楽しみです。

ご紹介いただいた食材

A:アンデス高原豚 皮付きバラ 角切り 500g

A:アンデス高原豚 皮付きバラ 角切り 500g
一定期間抗生物質 完全無投与 アンデス高原豚 皮つきバラ角切り(5cmx3cmxバラ厚さ)
約500g 冷凍

B:アンデス高原豚 豚バラ ブロック 250g×4

B:アンデス高原豚 豚バラ ブロック 250g×4
一定期間抗生物質 完全無投与 アンデス高原豚 豚バラ 1000g(250gx4)
1kgブロックとなります。

C:九州産豚 皮付きバラ肉 ブロック 1000g

九州産豚 皮付きバラ肉 ブロック 1000g
九州産 豚皮付バラ肉 ブロック 1000g冷凍品