学問所通信 特集コーナー
第22回 新しい栄養学とケトジェニックダイエット
学問所通信では
5大栄養素である「糖質」、「たんぱく質」、「脂質」と
微量栄養素である「ビタミン」と「ミネラル」の消化・吸収・代謝を学んできました。
最初はお肉の栄養という視点からはじまったのですが、いつのまにか哺乳類、そして我々ヒトの栄養学になっておりました。
私たち哺乳類はホメオスタシス(恒常性)を保とうとする素晴らしい仕組みを持っています。
この恒常性を崩すような生活(とくに食生活)をすると、病気になったり、体調不良になったり、
イライラするわけです。
そして先進国ではどこの国でも肥満や糖尿病、心筋梗塞、認知症の生活習慣病に悩んでいます。
糖尿病や心筋梗塞になると炭水化物中心の食生活を医者から指導されます。
肉や脂はあまりたべないようにいわれます。
ですが、そもそも糖尿病は血糖値がコントロールできなくなる病気です。
高血糖状態がつづき、臓器や血管が糖化することで、さまざまな合併症を引き起こします。
その一方で、インスリンやコレステロール降下剤など様々な薬品が処方されます。
それにともない、医療や介護にともなう社会保障費はいまや国家予算の三分の一(約30兆円)を占める大きな負担になってきています。
個人や企業の負担する医療費や税金も年々重くなってきています。
なんとかしなければなりません!!
生活習慣病は「ぜいたく病」と言われていました。
その原因は「カロリー摂取過剰、運動不足」にあるとされています。
私たちの生活を見渡すと「やはりそうなのか」と思いたくもなります。
肥満や生活習慣病はまた「貧困層」の問題でもあります。
1960年代にはすでに「肥満や生活習慣病は貧困層にも蔓延」していたことを示す調査もたくさんあります。貧困層ではとくに女性の肥満が目立つようです。明らかに栄養失調の子供を連れた母親がでっぷりと太っているという光景が見受けられます。
彼(彼女)らはわたしたちと同じように「カロリー摂取過剰」で「運動不足」なのでしょうか?
むしろその逆に思えます。「カロリー不足」で「運動十分」の印象を受けます。
果たして肥満や糖尿病そして心疾患などの生活習慣病は「ぜいたく病」なのでしょうか?
「貧困層の病」なのでしょうか?
その解決のためには、私たちがいままで「当然」と思っていたことになにやら「大きな間違い」があったようです。それを探していきたいと思います。
脳の唯一のエネルギーはグルコースのみ
私たちは
「脳のエネルギーはグルコース(ぶどう糖)のみ」
と教えられてきました。
多くの方がこれを信じていています。
また体内のグルコースが枯渇すれば、低血糖になり、人間は倒れてしまうともいわれています。
多くの生物学や生理学、生化学のテキストにそう書かれてあります。
そして栄養学ではこの前提があるために、
「グルコースの消化・吸収・代謝」
を真っ先に学んでいきます。
まずその仕組みをおさらいしておきましょう。
食事から摂取した糖質はグルコースに分解され、吸収されます。
無酸素状態では細胞基質の解糖系にてグルコースを利用しますが、有酸素のもとではピルビン酸というものになり、細胞のミトコンドリア内で、アセチルCoAとなります。それがTCA回路、電子伝達系&酸化的リン酸化を通じてエネルギーになります。
エネルギーの単位はATPです。
この過程で生まれるエネルギーはグルコース1分子に対して、32ATPとなります。
これをエネルギー代謝の「グルコース-グリコーゲンシステム(糖質代謝)」と呼びます。
エネルギーにならない過剰なグルコースは、血液中にまじり、血糖値を上げます。
そうなるとすい臓からインスリンが分泌され、過剰なグルコースはグリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄えられます。しかしながら、肝臓や筋肉に蓄えられるグリコーゲンはごくわずかで、ほとんどは中性脂肪として蓄えらてしまいます。
中性脂肪が体のどこにつくのかということはあまりよく分かっていないようですが、やはりお腹周りの内臓脂肪となっていく場合が多いのではないかと思います。
これが有名なメタボリックシンドロームですね。
内臓脂肪は内分泌系細胞として、ホルモン様物質(サイトカイン)を分泌します。
ただの邪魔な脂ではないんです!!
サイトカインは血管の修復、動脈硬化抑制などの働きをするのですが、脂肪が多くなるほど、逆の働きをするようになってしまいます。
インスリンはよく「太るホルモン」と呼ばれます。
あまり聞きたくないことばですが、裏返すと、
「インスリンがでないと太れない」のです。
「なんだいいじゃないか」
と思われそうですが、実はとても怖いことなのです。
「1型糖尿病」というものがあります。
すい臓のランゲルハンス島にあるβ細胞が壊れると
インスリンは分泌されなくなります。
そうなると、摂取した糖質による血糖値の上昇を抑えることが
できなくなります。
またインスリンがでていないと、細胞は血糖(グルコース)を
エネルギーとして利用したり、脂肪として蓄えたりすることが
できなくなります。
常に高血糖状態になるわけです。
さらに、インスリンがでてないと、体は「血糖が足りない」と
判断します。高血糖状態にもかかわらずです。
交感神経が過剰に刺激され、血糖を上げよう、エネルギーを作ろうと
グルカゴンやホルモンを分泌し、蓄えた脂肪を分解し、エネルギーとして活用します。
その際に、ケトン体が大量に生成されるわけです。
交感神経についてはこちら。
学問所通信第21回 ホルモンってなあに? その2>>
血糖値も高いのにケトン体値も非常に高い。
これが糖尿病性ケトアシドーシスというものです。
血糖値は高いのにエネルギーになることなく、脂肪はどんどん燃えていく。
太れないので、どんどんどんどん痩せていくわけです。
食べても食べても太れない。
のどが異様に乾く。甘いものがさらにほしくなる。
過剰な血糖は尿になって出ていく(甘い)
やがて体内の臓器が糖化し、さまざまな合併症を引き起こします。
二型糖尿病やインスリン抵抗性が高い場合でも同じなのですが、
インスリンがまだ出ている分、太る能力は多少は残っているわけです。
体に蓄えている中性脂肪は体内のグルコースが枯渇(インスリンの過剰分泌がない状態)すると、エネルギーづくりのために、脂肪酸とグリセロールに分解されます。
脂肪酸はβ-酸化というプロセスをへて、グルコースのときと同じように、アセチルCoAになります。
アセチルCoAはもちろん細胞のミトコンドリアでエネルギーとなります。
肝臓の細胞で作られたアセチルCoAは「ケトン体」となり、脳をはじめとする全身の細胞に運ばれ、またアセチルCoAになり、エネルギーとして利用されます。
グリセロールは「糖新生」というグルコースを作り出す原料となります。
これを「脂肪酸-ケトン体システム(脂質代謝)」と呼びます。
「脳のエネルギーはグルコースだけではない。
ケトン体は脳の主要なエネルギーとなりうる。」
体内に一番多い脂肪酸は「パルミチン酸」という飽和脂肪酸です。
パルミチン酸がβ-酸化されて、ミトコンドリアでエネルギーとなります。
この過程で生まれるエネルギーはパルチミン酸1分子に対して、106ATPとなります。
グルコース1分子のときは32ATPでした。なんと3.3倍以上です。
もちろんグルコースは炭素が6個、パルチミン酸は18個なので、炭素数的にはちょうと3倍差があります。炭素2つでアセチルCoA1分子になるわけですが、炭素あたりのエネルギー効率も脂肪酸のほうがいいことなになります。
体に蓄えられた中性脂肪をうまく燃やすには、糖質をカットした食事で、常にエネルギー代謝を脂質代謝にしておく必要があります。
糖質の摂取が過剰で、インスリンが過剰に分泌されていると、
インスリンは脂肪の分解を妨げる働きをします。
人間は体内にグルコースをあまり蓄えることができません。
例えば。体重50kgで体脂肪20%であれば
となります。 グリコーゲンの蓄えだけでは、基礎代謝すら賄えません。これではちょこちょこ糖質が欲しくなりますね。
脂肪を燃やすほうがエネルギー効率はよいのです。
「人間本来のエネルギー代謝は糖質代謝ではなく、脂質代謝である。
脂肪を燃やした方が効率的かつ持久力がある!!」
私たちは、「動物性脂肪を食べると太る」と教わってきました。
牛の脂やラードなどの白い脂の塊をみると、「やっぱりそうなのかな」と思ってしまいます。
学校給食でも病院食でも、動物性脂肪はできるだけ使わない炭水化物中心の食事です。
さまざまな場面でも、「野菜をもっと食べよう」と耳にタコができるくらいです。
しかしながら食べた動物性脂肪が、そのまま体内の脂肪になるわけではないのです。
「食事から摂取した余剰な脂肪は、基本的には体外に排出される」のです。
ただし、脂質といっしょに糖質を摂取した場合には、余剰な脂肪は排出されにくくなり、体内に取り込まれてしまうようです。
摂取した糖質と脂質のほとんどは脂肪として蓄えられてしまうといって
過言ではないかもしれません。
「糖質」+「脂質」の組み合わせはとても危険なのです。
いつ食料が手に入るかわかならい時代には、エネルギー源を効率よく体内に蓄える仕組みだったといえます。また運動量もいまとは格段に違ったのでないかと思います。
いまのような炭水化物中心の食生活が広まったのはイギリスの産業革命のせいだとも言われています。都市に住む工場労働者が増え、彼らが時間どおりに、そして効率よく働くためには、食べやすい炭水化物中心の食事がぴったりだったのです。
余談ですが、サンドイッチの語源となったされる第4代サンドイッチ伯爵(1718-1792)はイギリスの産業革命の時代の人ですね。
それが今現在の日本にも受け継がれているといえます。肉体労働が主な方には問題ないかもしれませんが、オフィスワーク主体のひとにとっては炭水化物は悪い影響しか及ぼさないのです。
糖質は必須かつ多量栄養素である
糖質は体にもっとも必要な栄養素であるという思い込みから、
糖質は必須栄養素だと勘違いしている方も多くいます。
また三大栄養素として多量の摂取が必要であるともいわれています。
タンパク質が分解されてできるアミノ酸、中性脂肪が分解されてできる脂肪酸の一部には、人間が体内で合成できないため、かならず外部から摂取しなければいけない必須栄養素があります。
必須アミノ酸でいえば、トリプトファン、ロイシン、イソロイシン
必須脂肪酸でいえば、リノール酸、α-リノレン酸
等です。
実は「必須糖質」というものは、どこをひっくり返してもないわけです。
標準的な体重のひとで、血液中のグルコースはわずか4gです。
グルコースは体内で合成されて利用されるので、必要な量が4gというわけではありません。
グルコースしかエネルギーにできない細胞もあります。
肝臓には「糖新生」という仕組みがあり、脂肪(グリセロール)などから適切な量のグルコースを作り出し、エネルギーとして利用します。これが十分な量のグルコースを供給してくれるのです。
食事から摂取する必要はまったくないのです。
なので必須栄養素でもなく、また三大栄養素としてとらえる必要もないのです。
「糖質は必須栄養素でもなく、三大栄養素でもない。
ビタミンやミネラルと同じ微量栄養素である。」
過剰に摂取した糖質は体内ではグリコーゲンとして蓄えられます。
グリコーゲンはグルコースが結合してできているものです。
必要に応じてグリコーゲンをグルコースに変えてエネルギーとして利用します。
人間がグリコーゲンを蓄えるときには、水分もいっしょに蓄えます。
グリコーゲン1gに水3gが結合します。
グリコーゲンは肝臓に100g、筋肉に300g、合計400g程度貯蔵できます。
合計で1.6kgのグリコーゲンと水を蓄えています。
これがむくみの原因です。
糖質制限に限らず、食事制限や断食などでは、2〜3kgの体重はすぐに減ります。
これはグリコーゲンがなくなるとともに、余分な水分が対外へ排出されるためです。
食事を元に戻せば、すぐに体重も戻ります。
これはやせたとはいえません。
これを維持できてはじめて、減量できたといえます。
余談ですが、塩分についても、水分が多いと腎臓は排出するべき塩分を再利用
して濃度を維持しようとします。
インスリンには腎尿細管においてナトリウム再吸収促進の作用があるのです。
だから、通常の食事においては「減塩」しないと塩分過多となるんですね。
糖質制限食では体内の水分量が適正に維持されるので、塩分は尿として
排出されます。適度に塩分補充をしないといけませんね。
炭水化物中心の食生活が低カロリー低脂肪で健康によい
糖質を多く含む穀物などの炭水化物は脂質と比べると低カロリーです。
このため、健康になるためにカロリーを抑えたいひとは、炭水化物中心の食事となってしまいます。
脂質は徹底的に嫌われるわけです。
だから低カロリー低脂肪の食品がもてはやされているんですね。
炭水化物を多く含む穀物・イモ類などは、基本的にたんぱく質や脂質を多く含む肉や卵、魚に比べると様々な栄養素において乏しい、そして吸収率が悪いという点があります。
アミノ酸スコアでいうと
となります。
炭水化物中心の食生活でお腹を満たそうとすると、多くの栄養素が足りません。
栄養素をきちんととろうと思えば、さらに食べるしかありません。
そうすればインスリンは過剰分泌となり、肥満や糖尿病などへの生活習慣病へつながっていきます。
我慢をすれば、栄養失調になります。日々からだの不調を唱え、薬やサプリ、栄養ドリンクに頼った生活を送ることになります。
実は1960年代までは、糖尿病治療でも、肉を食って治すという糖質制限食に似たダイエットが普通に唱えられていたのです。それが衰退したのは「脂肪による心臓病の危険」という話がでてきたためです。
アンセル・キーズという科学者が「飽和脂肪酸は心臓病の原因となる」
と主張したことに端を発します。
ここから低脂肪ダイエットの大流行が起きます。
実はキーズは研究結果の操作をしていたことが判明します。
にもかかわらず低脂肪ダイエットが間違いであるということは、暗闇に葬られたのです。
その首謀者は食品加工会社です。
低脂肪食品では、脂肪を減らすかわりに、コストも安くおいしく、かつ中毒性のある「糖」を食品に大量に使用することができます。
食品会社は大きな利益を得ることになりました。
そのおかげ(?)で生活習慣病はどんどん蔓延し、
今度は医薬品業界も大きな利益を生むようになりました。
みんなが健康的になるととても困るのです(笑)
低脂肪ダイエットやカロリー制限では、最初の数週間は体重が落ちても、そんな食生活は長続きせず、結局、もとの体重(もしくはそれ以上)に戻ってしまいます。
ほとんどの場合で栄養失調により代謝が落ちてしまうので、より悲惨な結果が待ち受けています。
低脂肪食品によって減らされてしまった脂肪やコレステロールは体に元気をもたらす副腎皮質ホルモン(コルチゾール)や性ホルモンの原料です。もちろん、細胞など私たちの体を構築するためにタンパク質と同じく重要な栄養素です。
これらを大幅に減らせば、元気がなくなり、性欲も減ります。
ストレスに対応する力も弱くなります。
糖質はできる限り制限して、タンパク質と脂質を中心とした食生活こそが、健康的に生きるすべなのです。肉・卵は、お米や小麦そして野菜よりもあらゆる栄養素の面で優れています。
生活習慣病につながりやすい。カロリーではなく、必要な栄養素を
満たす食事をすること。」
糖質を摂取すると元気になる!
疲れたり、体調がおもわしくないとき、栄養ドリンクや甘いものを食べる方も多いと思います。
また病院に点滴をしにいって、なんとか毎日をしのいでいる方もいます。
栄養ドリンクや甘いもの、そして点滴にも多く含まれているのが「グルコース」です。
グルコースを摂取すれば、一時的に急激に血糖値があがり、体を奮い立たせることができます。
しかし多くの場合で、それは長続きしません。すぐに疲れてしまいます。
低血糖になりまた甘いものを欲します。
私は一時期、すべての項目が当てはまりました。
思い当たることが複数ある場合には、それは「糖質過剰」により体調が優れないことを示しているかもしれません。
血糖値の乱降下により、過食になったり、不眠症になったり、そして疲れやすくなったりします。
ストレスに対応する力が弱くなり、イライラします。仕事にも集中できません。
このような症状があると、病院に点滴をしてもらったり、薬をのんだり、栄養ドリンク・サプリに頼らなくてはいけなくなります。
そしてそれは一時的な症状の緩和に過ぎません。
糖質を制限することでのみ、これらの症状が緩和できます。
糖質の過剰摂取は脂肪を蓄えるだけでなく、さまざまな悪影響を体に及ぼします。
血糖値が急激に上昇する(グルコーススパイク)やインスリン抵抗性があり血糖値が高い状態が続けば、血管を傷つけることになります。
そこにプラークができて血流が悪くなっていきます。
そうなると動脈硬化や心筋梗塞、脳血管疾患をもたらします。
またグルコースはタンパク質と結び付く力が強く、さまざまな臓器を糖化してしまいます。
腎臓病などの疾病に繋がります。
アルツハイマーなどの認知症は「脳の糖尿病」と言われています。
がん細胞はグルコースをエネルギーにして肥大して、転移していくようです。
まさに「細胞の糖尿病」です。
糖質の過剰摂取は肥満や糖尿病だけでなく、さまざまな疾病の原因となるのです。
血糖値を乱降下させてしまう。
それが様々な生活習慣病のリスクを高める。」
ホメオスタシスを心がけよう
人間をはじめとする哺乳類には「ホメオスタシス」(=恒常性)というものがあります。
寒ければ、体温を上げて維持します。ストレスに向き合えば、血糖値を上げて、それに対処しようとします。血糖値があがれば、インスリンを分泌して、下げようとします。
この仕組みには自律神経系の交感神経と副交感神経が深くかかわっています。
ストレスを受けると交感神経が緊張します。 そして副腎皮質からのホルモン分泌を増やし、ストレスから防御しようとする反応が起きます。やがて、今度は落ち着こうと副交感神経が刺激されることになります。
糖質を過剰に摂取したときは副交感神経が反応し、インスリンを分泌を促します。 高血糖から低血糖になり、今度は交感神経が緊張します。
ストレスが多い現代の生活や糖質中心の食生活で、交感神経の過度の緊張や副交感神経の過剰反応が繰り返されると、神経が過敏になり、だるくて終始やる気が起きない状態になり、塞ぎ込む気分にもなります。またストレスにも対する力も弱くなっていきます。
いいかえれば体調が悪いときには自律神経系の過剰反応が起きているともいえます。
日常的に起きる痛み、腫れ、発熱、咳、下痢、吐き気なども、この副交感神経の過剰反応が原因と考えられます。
自律神経系は基本的に人間の意思でコントロールできないのですが、糖質をおさえた食事で血糖値の乱降下をふせぐだけでも、交感神経と副交感神経の過剰反応を抑えることができます。
体調が良く健康なときは、交感神経と副交感神経との上がり下がりが極端にはなりません。
自律神経系が安定していれば、おだやかでストレスにも強い精神状態になります。
この正反対が自律神経失調症と呼ばれるものです。
「ホメオスタシスというものを意識して、なるべく自律神経系を刺激しない生活を送るように心がける。そのためには耐ストレス力をつけ、糖質をなるべく制限する食生活を送る」
必要があります。
次回の学問所通信では、ここまでの話を整理して、「新しい栄養学」とそれにふさわしい「ケトジェニックダイエット」とはなにかを考えていきたいと思います。