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ケトジェニックダイエットとは

ケットジェニックダイエットとは

糖質制限食ダイエットやMEC食ダイエットを学んでいくと「ケトジェニックダイエット」という言葉にも出会います。

糖質制限食の合言葉が「低炭水化物(低糖質)」だとすると、

MEC食は「高タンパク、高脂肪」。

ケトジェニックダイエットの合言葉は「低炭水化物、高脂肪(Low-Carbohydrate High-Fat)」といえるかもしれません。
どれも基本的には低炭水化物を中心にした食事なのですが、糖質制限食はより低糖質を追求したものであり、MEC食は低炭水化物は意識するもののどちらかというと「肉・卵・チーズ」を中心とした食事を楽しみながらダイエットすることにあるように思います。

ケトジェニックダイエットになると、低炭水化物はもちろんですがさらなる高脂肪食によってダイエットや健康を目指す感じです。かなりストイックな印象を受けます。ちなみにタンパク質の摂取量については中程度だとされています。これは糖新生による糖質代謝が脂質代謝よりも優先されてしまうことにあるようです。

低炭水化物(低糖質)食によって糖質を優先してエネルギーをえる糖質代謝(glycokysis)から脂肪の燃焼を優先する脂質代謝への体質改善をめざすことではどの食事も同じです。

ケトジェニックダイエットでは

  • K:Keep carbos low
  • E:Eat more fat
  • T:Test ketones often
  • O:Overdoing protein is bad

の頭文字をとって「KETO」を強調しています。

「Keto Clarity」より抜粋

ケトジェニックダイエットでは、その脂質代謝に加えて「ケトン体(Keton Bodies)」というものを重要視します。

しかしながら、現代の医学では、ケトやケトン、ケトーシス、などはあまり肯定的に語られていません。

それではなぜいまケトジェニックが注目を浴びているのでしょうか。

 

ケトン体とは

ケトン体は体内のグルコース(肝臓のグリコーゲン)が枯渇し、脂肪がエネルギーとして代謝される場合に、いわば燃えカスとして産生される物質です(中鎖脂肪酸 medium-chain triglyceridesを代謝するときにも)。

ケトン体には、

  • アセト酢酸(acetoacetic acid) アセチルCoa(Acetyl-CoA)から作られる。
  • βヒドロキシ酪酸(beta-hydroxybutyric acid)
  • アセトン(acetone, breath ketone)、アセトアセテート(Acetoacetate, urine keton)

があります。

ケトン体とグルコース
ケトン体とグルコース

重要なのはβヒドロキシ酪酸です。

アセトンは主に呼気から、アセトアセテートは尿から排出されます。

アセト酢酸は、β-ヒドロキシ酪酸やアセトンにも変化します。これらも同時に排出されることになります。

グルコースもケトン体も水溶性で脳のエネルギーとなることができます。

 

ケトーシスとは

ケトーシス(Ketosis)とは、低炭水化物、中レベルのたんぱく質、高レベルの脂肪食を摂取しつつけることで、エネルギーの代謝にブドウ糖をつかうのではなく、血中のケトンを優先的に使用している状態のことです。

ケトン体の血清中濃度が0.5millmolarであり、かつインスリンと血中のぶどう糖濃度が低いレベルで安定している状態です。

エネルギーとして用いられるケトン体はアセト酢酸とβヒドロキシ酪酸です。

ケトン体の水準はおもにインスリンとグルカゴンによって調整されます。

ほとんどの体内の細胞はグルコースとケトン体をエネルギーとして利用することができます。そしてケトーシスの状態のときには、脂肪酸と糖新生(glucose synthesis 、gluconeogenesis)によってのこりのエネルギーを燃やします。

ケトーシスの状態には、夕食を抜いた夜などにもなります。ただし、翌日、炭水化物中心の食事にもどれば、糖質代謝にすぐに戻ってしまいます。

断食や低炭水化物の食事を続けることで、長期にわたるケトーシスになります。ケトンをエネルギーとして上手に使えるようになれば、余分なケトン体(アセトン)が汗や体臭からでるいわゆる「ケトン臭」もなくなります。

糖質代謝であると、高いインスリン濃度が、体内の脂肪を蓄えるよう促し、 脂肪組織(adipose tissues)から脂肪が失われないようにブロックしていまいします。 これに対し、ケトーシスでは体内脂肪はすぐに燃焼されるようになります。

 

ケトーシスであることのメリット

ケトーシスであることのメリットは、

  1. 脂質をエネルギーとして利用できる脂質代謝である優位性
  2. 十分なケトン体濃度がもたらす、精神高揚
  3. 血中のグルコース濃度を抑制することから得られるより健康的で長寿な体づくり

にあります。
脂肪はグルコースから作られる場合よりも多くのエネルギーを代謝でき、効率がよいのです。
ケトン体は脳のエネルギーにもなります。
血糖値が高い状態がないため「終末糖化産物(AGE,Advanced Glycation End products)を生成しません。このAGEは体内の老化を促進します。
そして脂肪が燃え続けることで、痩せて健康的になります。
ケトン体は筋肉や心臓、肝臓、そして脳にとって、グルコースよりも優位性のある燃料です。これらの臓器は実は糖質過多によってダメージを受けやすいのです。

さらにケトーシスであることの効果としては、

  • 自然に空腹と食欲のコントロールができる
  • 減量と体重維持が簡単
  • 精神的な安定感
  • 睡眠が深くなる
  • 代謝機能の向上
  • 血糖値の安定とインスリン抵抗性の回復
  • 低い炎症レベル
  • 幸福感
  • 血圧の低下
  • HDLコレステロールの上昇
  • 中性脂肪の低下
  • 小分子LDLコレステロールの低下、除去
  • 食事間隔を12時間から24時間にできる
  • エネルギーとして内臓脂肪、皮下脂肪を使う
  • 永続的なエネルギー
  • 胸焼け(heartburn)の改善
  • 受精力の向上
  • 外傷性脳障害(traumatic brain injury)の予防
  • 性欲の向上
  • 免疫システムの改善
  • フリーラジカル抑制による老化防止
  • 血中化学物質の改善
  • 認知機能(cognitive function)と記憶の改善
  • ニキビ、肌荒れの改善
  • 食べ物と体への理解増加
  • metabolic health markersの改善
  • 運動後の疲労からの早い回復
  • 心配性や躁うつの改善

といったものが期待されます。

 

血中のケトン体濃度について

血中のケトン体濃度がひとつの指標にあります。ただし、代謝の状態、食事の内容、運動、遺伝的要素でかなり変わってしまいます。

bloodconcentration(millimolar) Condition
< 0.2 not in ketosis
0.2 – 0.5 slight/mild ketosis
0.5 – 3.0 nutritional ketosis(栄養的ケトーシス)
2.5 – 3.5 post-exercise ketosis
3.0 – 6.0 starvation ketosis
15 – 25 ketoacidosis(病的ケトアシドーシス)

wikipediaより

また尿中(urine)のケトン体濃度も血中のケトン体濃度を反映しません。血中のケトン体濃度が高くても、体内で活用されており、尿として排出されなければ、ケトン体は検出されません。

 

ケトアシドーシス(Ketoacidosis)

「ケトーシス」という言葉は医学会では「ケトアシドーシス」という言葉を連想させるようです。
「ケトアシドーシス」はケトーシス同様に「ケトン体」の血中濃度が高いレベルで維持されている状態ですが、大きな違いはケトアシドーシスの場合は「血糖値も高い」ということです。

これに対してケトーシスの場合は「血糖値は低い」、「血中ケトン体濃度は高い」ということになります。これは病気でもなんでもありません。

ケトアシドーシスは1型糖尿病(インスリンが分泌できない)の患者に起きます。血糖値が上がってもインスリンが分泌されないため、体は「飢餓状態」であると思い込んでしまいます。そしてグルコースはもう体内にないのだと誤認してしまい、脂肪を燃やすように切り替えます。そのため「血糖値」と「血中ケトン体濃度」がともに高い状態です。そして血中のケトンBHB濃度が20millmolarsを超えると病気になり、昏睡状態に陥ってしまうこともあります。

ケトーシスは栄養学的にも健康的な状態です。
多くの医者は栄養学の訓練を受けておらず、糖尿病患者のケトアシドーシスをイメージしてしまい、ケトーシスすら否定する場合があります。

 

ケトジェニックダイエットとアトキンスダイエット(Atokins Diet)との違い

ケトーシスという言葉自体は新しいものではありません。1970年台前半にDr.Atkinsがケトーシスを推し進めました。
ただし、その当時ケトン測定の方法はとても原始的でした。

また上述のように、ケトーシスとケトアシドーシスが混乱されたため、アトキンス博士はその後ケトーシスという言葉を利用しなくなりました。

ケトジェニックダイエットが低炭水化物、中たんぱく質、高脂質ダイエット食で、脂肪燃焼し、ケトン体というものを体のエネルギーとして使うことを目指すのにたいして、アトキンスダイエットは炭水化物の制限に注力しています。
アトキンスダイエットは(同じ結果となったとしても)ケトン体の生成のためにケトジェニックダイエットが求める基準に合わないかもしれません。

ケトジェニックダイエットでは、ケトンレベルの測定を重視します。アトキンス・ダイエットではそれは推測の域をでないのです。

ケトジェニックダイエットはもともと1920年代以降には小児てんかんによる発作の治療食として用いられました。
脂肪が80%、そしてのこり20%がたんぱく質と炭水化物とする、かなりの高脂肪食です。

 

ケトジェニックダイエットの実践方法

ケトジェニックダイエットを実践するときに最も多い質問は、「それでは糖質・たんぱく質・脂質をそれぞれどれだけ摂取すればいいのか?」ということです。
*現在構成中です。内容は大幅に変更になる場合があります。

ケトン体の測定

http://mds.terumo.co.jp/index.html
http://www.innervision.co.jp/041products/2002_2004/data/18etc/etc2003_5_1.html

もしくは呼気中のアセトンをはかるKETONIX(AMAZON USより購入可能)
https://astore.amazon.com/ketonix-20

http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3259.html

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