「肉」カテゴリーアーカイブ

お肉の味はどうやって決まる? その1

ひさびさのブログ更新です(毎回これ書いてる気がしますが)。

新年一発目(もう2月ですが)、ちょっと長めの記事を書いてみました。

昨年は店頭販売を開始しました。
1年間、店頭でお客様とお話ししながら思ったのですが、

「国産」=「おいしい」+「安心・安全」

と思い込み過ぎてるお客様が多いということです。

情報の少ないまた年配の多い地域がらですので、こうした思い込みがあることも仕方ないことかもしれません。TV番組や週刊誌の情報をうのみにする傾向もあります。

「安心・安全」についてもなんだか根拠もなく国産第一主義みたいなのがあります。

一方で国産牛肉である黒毛和牛種や交雑種そして乳用種といったものが軒並み値上がりしています。
豚肉や鶏肉もですが、外国産と比べるとかなりの値段差がありますね。

「国産牛はちょっと高い」という程度ではなく、「もう手がでない」そんなレベルになってしまいました。

部位によってバラツキはあります、10年前と比べると1.5倍以上の価格になっています。和牛のウデ肉のスライスで100g600円くらいで販売していたものが、100g900円~1000円くらいになってるイメージです。

「国産を食べたい。でも値段が高い」
「外国産はなんだかこわい」

こうなると、もう
「お肉はやめとこうか。」
となってしまいます。

昨年は
「老後の生活費が2000万円不足!」
なんて話が飛び出し、
「消費税率アップ!」がありましたから、単価の高い国産牛肉への買い控えが起きるのは仕方ないことです。

「国産牛肉やめて外国産牛肉か豚肉にしとこか」

ちょっとこうなるだけで、売上って簡単に半分になります。
忙しさは変わらないのに・・・

外国産牛肉といえば、いま最も身近なのが「アメリカ産ビーフ」もしくは「オージービーフ」ですよね。 

2007年にはUS産ビーフが日本のスーパーマーケットを中心に再び出回ることになりましたが、ここ2~3年で、本格的に取扱い量が増えてきました。

これを機に、コストコなどの量販で安売りされ、焼肉屋での取り扱いが増え、「いきなりステーキ」などのステーキ屋が乱立をし始めました。これはアメリカ産ビーフあってのことです。

オーストラリア産も多く輸入されていたのですが、日本人の口にあわずあまり受け入れられませんでした。もちろん、これが好きなひとはいますが、多くのひとは苦手だったようです。
オーストラリア産は加工用やハンバーグがメインでした。味付けも濃くしないとくさい、おいしくないと評価されてきました。

ちなみに
吉野家の牛丼はアメリカ産ビーフです。
すき家の牛丼はオーストラリア産ビーフ、いわゆるオージービーフです。

吉野家の牛丼よりも味付けがこく、甘ったるいのがすき家の牛丼かなと感じています。吉野家なんて、「アメリカ産じゃないとうちの味はだせない!」と一時期牛丼販売を停止した時期がありました。

この違いの根底にはそもそもの肉の味の違いがあります。
ではいったい「肉の味」ってどうやって決まるのでしょうか。

お肉の味を決める要因はなに?

よく、
「黒毛和牛はおいしい!」とか「〇〇(銘柄)牛」はおいしいといわれます。
お店にも「黒毛和牛はありますか?」とお買い求めいただく方がいます。
「外国産はくさいから」と最初から遠慮される方もいます。

ですが結論からゆうと、肉の味を決めるのは、「産地」でも「畜種」でもありません。
肉の味を決めるのは
・飼料の種類 何を食べて育ったか。
そして
・肥育期間の長さ それをどれだけ食べたか。 
これにつきます。これで98%決まります。
その他2%の要因としては
・畜種・血統(黒毛和牛とか、ホルシュタイン種とか、アンガス種とか)・生産者の人柄・風土
です。
異論は有るかと思います。
味なんてそもそも食べた方がいかように感じるかできまるものですし。
黒毛和牛!だとか、生産者がしっかり丁寧に育ててる!と聞くと、「美味しいに違いない!」と思います。たしかにその部分もとても大切です。
一般的には毎日産地や畜種の違う牛肉を食べ比べしているわけではありません。同じ程度の霜降り具合のお肉を食べても産地や畜種まで言い当てることはなかなかでできないのが普通でしょう。

ですが、霜降り肉か、赤身肉の違いくらいははっきりと分かる方は多いと思います。
この違いは上記の「飼料の種類」と「肥育期間の長さ」で決まります。
まずはそこから見ていきたいと思います。

まとめると
お肉の味は(あなたにとっておいしいかどうかは別にして)
1)飼料の種類
2)肥育期間の長さ
3)畜種・血統・生産者の人柄・風土
で決まる。1)と2)でほとんど決まる。
ということです。

飼料の種類

いま日本で入手しやすい牛肉を飼料の種類で分類してみると

I)濃厚穀物A(+粗飼料)
II)放牧牧草(+補助飼料)
III)放牧牧草後濃厚穀物B

が挙げられます。非常におおざっぱな分類ですが。

濃厚穀物Aはトウモロコシ中心
濃厚穀物Bは麦中心
粗飼料は稲わら
放牧牧草はイネ科・マメ科の牧草
といった感じです。
牛の成長段階によって与えられる飼料はことなりますので、主に肥育段階での分類です。

I)濃厚穀物A(+粗飼料)

日本やアメリカの牛肉です。トウモロコシ中心です。霜降りが入りやすく、香りがある。やわらかい。臭みが少ないといった特徴があり、焼肉店やステーキ店で使われているお肉の大半はこちらです。国産は高いのでアメリカ産がほとんどですが(笑)
日本人の多くに親しみのある味です。日本の和牛の霜降りはアメリカ産牛肉への対抗の延長線上で生まれたといえます。

II)放牧牧草(+補助飼料)

オーストラリアやNZからの牛肉です。最近ではウルグアイやアルゼンチンからも入ってきています。
いわゆるグラスフェッドです。 今は日本でも人気ですね。ただし、昔は独特な香りがだめな日本人も多く、あまり人気がありませんでした。外食や加工食品のミンチ材として使われるのが主でした。もしくは地方のスーパーの安売りアイテムでした。牛ロース切り落とし 100g100円!なんて感じで。

(+補助飼料)とありますが、この補助飼料によって肉質にかなりの差がでます。

補助飼料=ほぼ穀物

なのですが、与える量、穀物の種類で肉の味、色、水分量がかわります。これについてはまたブログで扱いたいと思います。

硬さやどくどくの香りを解決するために、麦などの穀物を与え、若干の霜降りをいれることで肉がやわらかくなるようにしました。穀物を与えるとにおいも少なくなるようです。

III)放牧牧草後濃厚穀物B

これらはグレインフェッドと呼ばれるものになります。
 I)濃厚穀物A(+粗飼料) も
もちろんグレインフェッドなのですが、オーストラリア産やNZ産などのグラスフェッドとの対比で使われることが多いです。
一般的に放牧牧草飼育したあと出荷前に牛をフィードロットという区画に集めてきます。そこで、一定期間濃厚穀物飼育をしていきます。

穀物飼育の期間によって、
ショートグレイン
ミドルグレイン
ロンググレイン
とあります。こちらは「飼育期間」に関係してきますので、次回で触れたいと思います。

ショートグレインをひとつをとっても、放牧牧草飼育後に、どんな穀物をあたえるかで、かなり肉の味に違いがでてきます。
がっつり分けると、オーストラリアやNZ産のショートグレインフェッドとウルグアイやアルゼンチンのショートグレインではかなり違います。オーストラリア・NZは麦が主体なのに対して、南米のショートグレインはトウモロコシが多いように思われます。肉色、味わいかなり違う印象です。どちらかといえば南米のショートグレインのほうが、日本人にはあってる感じがします。
グラスフェッドでは、日本や欧州市場に受け入れられにくいので、仕上げに穀物肥育をかけて付加価値を付けたという感じです。

II)肥育期間については次回のブログで見ていきたいとおもうのですが、
簡単にゆうと肥育期間の長さは「霜降り具合」の違いになってあらわれます。霜降りが多いほど、濃厚な味でやわらかくなります。(鶏肉の場合ちょっと違いますが)
またコストにも直結するので、なるべく肥育期間を短く、霜降りを多くいれたいという誘因が働きます。昔の和牛はおいしかった!といわれる原因かもしれません。

今回のまとめ

一般的な日本人が
多くの日本人が慣れ親しんできたのが国産やアメリカ産の「トウモロコシ主体の穀物肥育」です。
日本の食肉産業は「アメリカ産ビーフ」とともにありました。
焼肉屋やステーキ屋の盛衰の歴史をみてもわかります。
アメリカ産牛肉の自由化とともに、焼肉屋やステーキ屋が一気に増えました。
一時期、アメリカ産牛肉が日本の市場から消えると、これらの飲食店は勢いを失いました。
そしてアメリカ産ビーフが復活すると勢いを取り戻しました。いきなりステーキなども登場しました。

同じ濃厚穀物飼料でもトウモロコシの変わりに大麦を与えると味わいがかなり変わります。
大麦主体の穀物肥育牛は、オーストラリアやNZで日本向けに飼育されています。
トウモコロシ主体の牛肉よりもかなりあっさりした仕上がりです。脂肪分はそれなりにありますので、やわらかいお肉です。
最近では「お米仕上げ」という売り方を見かけます。飼料米振興のための施策の結果です。
けれどもほとんどの場合で飼料の主体はトウモロコシです。お米は少し餌に混ぜてる程度だと考えてよいと思います。それでも肉の味わいには違いがでてきます。お米や麦が多くなると脂身があっさりする傾向にあります。トウモロコシが多いと脂身が薄いクリーム色になり少し濃厚な感じになるようです。

豚肉は一般的には濃厚穀物飼育です。たとえ放牧しててもメインは穀物です。こちらもアメリカや日本などのトウモロコシ主体の飼料とカナダ・ヨーロッパの麦主体ではかなり味が変わります。 一般的に前者の脂身は濃厚で、後者はあっさりです。

鹿児島黒豚などは「さつまいも」のイメージがありますが、こちらも多くの場合でトウモロコシがメインです。黒豚の場合は、「肥育期間」のほうが肉の味に影響を与えてると思われます。

鶏肉もほとんどの場合で穀物飼育です。
養鶏については「卵用」か「肉用」かで餌に対する要求度合がかなり違います。
卵用は「卵をより多く産んでもらう」ことが目的です。肉用は「より多くのお肉をつけてもらう」ことが目的となります。そして鶏肉については肥育期間は牛や豚とは少し違う形となってあらわれます。

ということで次回のブログは「肥育期間の長さ」です。

赤身ステーキはどうやってやく?

九州牧草牛が入荷しました

6月中旬に九州牧草牛が入荷しました。 九州牧草牛は出荷前最低6か月以上はマメ科イネ科の飼料のみで育てます。その間に細胞は入れ替わり、完全に?(笑)牧草飼育牛となります。 

3年前から始めた九州牧草牛プロジェクト いろいろありましたが、今年いっぱいで一旦終了となります。 牧草だけではなかなか育ちません(笑) 日本とくに九州でこれをやろうとするとなかなかの値段のお肉になってしまいます(涙)

リブロース、サーロイン、カイノミ、ササニクなどはお買い求めいただけますので、お問い合わせください。

牧草で育ったガチ赤身肉は豪快に厚切りのステーキでいきたいところ。でもみなさんなかなか抵抗感があるようです。ステーキの中がきちんと焼けてるかって不安ですよね。毎日焼いてるシェフの方なら経験と勘でなんとかするかもしれませんが。

焼け具合に不安があるなら科学的方法で。

お肉がきちんと焼けているか、お好みの焼き具合でやけているかは、科学的方法に頼るのが一番です。 とっても大したことはありません。「肉温度計を使う」これがベストです(笑) 実はPokeMethodというお肉の焼け具合を指で押したときの弾力で判断する方法もあります。でも熱いです(笑) 肉温度計はネットでも1000円くらいで売っているので常備しておきたいですね。

ローストビーフなどを作るときもそうなのですが、肉温度計で中心温度を確認しながら調理すると、まずはずしません。 レアが好きな方は中心温度が55℃~65℃がおすすめです。それ以上の温度では、ミディアムレア、ミディアム、70℃を超えるとウエルダンとなります。

上の画像は中心温度55度くらいのレアです。 中心部がちょっと生生しく見えますね。 でも冷たくもなく、生肉!という感じではありません。気になる方は火を止めて、もう少し蒸らせばいいかもです。

ちなみに私は赤身肉を焼くときは「黒豚リーフファットラード」をたっぷりひいて、揚げ焼きにしていきます。ある程度焼けたら、塩コショウとブラックペッパーをお肉にまんべんなく振りかけます。あとは余熱で温度管理。 外側はカリッカリ、中はレア。本格的なレストランで食べてる気持ちになれますよ。

赤身肉とはなんぞや

自宅で仕事をしていると、先代から電話がかかってきました。
「NHK BSを見ろ」と。

いわゆる「おいしい赤身肉」特集でした。

途中からだったので、全体像はわかりません。

まず目に飛び込んできたのはフランスのバサス牛でした。

フランスバサス牛

すべての生産者がそうだとはかぎりませんが、このバサス牛の生産者は放牧牧草飼育とのことでした。

出荷年齢はなんと4歳

日本では経産牛か趣味レベルじゃないとありえない年齢です。

放牧地にはマメ科のクローバーが群生していました。

ですが、話をきいていくと、肉をおいしくするためには、「穀物が必要」とのことで、一日一回穀物飼料を与えていました。

これで納得しました。
牧草のみで飼育するには、サーロインの芯面積が大きかったためです。牛自体も一回り大きい印象を受けました。

日本のホルスタイン種ヌキ(約2歳で出荷)に似た肉質でした。
等級的には1等級に限りなく近い2等級とういうところでしょう。
出荷月例が2倍長いのでバサス牛の肉色は経産牛のそれに近いものでしたが。

このバサス牛をおいしく出すというレストランが登場しました。
そこではこのバサス牛を吊るして熟成していました。

4歳ともなるとやはり歯ごたえが出てくるので、ある程度熟成をかける必要があるのでしょうね。

その次はアルゼンチンの牛肉でした。
アルゼンチンブラックアンガス
高校時代の地理でならった懐かしいことば「パンパ」がでてきました。
起伏が少ない平坦な草原が広がっています。
牧草の主体はライグラスでした。こちらはイネ科ですね。

出荷年齢はフランスバサス牛の半分の2歳。

ブラックアンガス種ということでしたが、放牧されているのはいろいろいました。

穀物飼料給餌については確認できませんでした。

2歳で出荷するということで、肉質も柔らかいのでしょう。熟成をかけずに食べるのがいいとゆうことでした。

どこかNZ産グラスフェッドに似ている感じがしました。

さて、日本でも赤身肉がブームです。まあ霜降り肉の値段が高くてなかなか食べれないといった側面もあるのですが。

一言に赤身肉といっても大きく2種類あります。

ひとつは、番組に登場したバサス牛や、日本の1等級~2等級クラスの肉牛です。
こちらは基本的には、牧草(日本ではほとんど乾燥稲わら)と穀物が給餌されています。
穀物の割合が高くなれば、より大きく、そして霜降りが入るようになり、等級が3、4と上がっていきます。

アメリカ産の赤身も基本的にはこのタイプです。
NZ産やオーストラリア産は牧草主体で育て後、出荷までに穀物を与えて肉質をあげていきます。
これらは穀物を与える期間によって、ショートグレイン、ミドルグレイン、ロンググレインと呼ばれています。

見た目は赤身ですが、穀物飼料の影響をかなり受け、肉質はやわらかく(脂が交雑する)、臭みがすくない肉質になります。
また与える牧草の種類そして穀物の種類によって、肉の味は変わります。

当学問所の九州赤身牛はこのタイプの赤身になります。
九州赤身牛
画像は九州赤身牛30日熟成の骨付きロースです。 5cm厚です。
とてもおいしいです(笑) レアでガシガシ食べます。
九州赤身牛の骨付きロースはネットでは販売していませんが、お問い合わせいただければ販売可能です。

もう一の赤身肉はは、グラスフェッド(牧草飼育牛)と呼ばれるものです。
NZでは放牧牧草飼育が主体です。脂肪分の少ない赤身になります。
この手の赤身は昔日本で「かたい、くさい、おいしくない」と評判が芳しくありませんでした。
いまの人気がほんと嘘のようです(笑)

下の画像は当店の「九州牧草牛」です。
九州牧草牛
こちらは完全に牧草飼育ではありません。
2歳くらいまでは稲わら+穀物である程度体格づくりを行い、出荷前6か月は完全にマメ科・イネ科の牧草のみで育てています。牧草を給餌しだすと、牛が痩せて(健康的に!)、枝重量が減ってしまうという、まことにもったいないことをしています(笑)
脂身は牧草の影響で黄色くなっています。脂身だけではありません。内臓類もとてもきれいなんです。
とくにセンマイ、ハチノスというのはきれいな黄色になっています。
また小腸・大腸をとりまく脂も少なく、腸が強く弾力があります。
このため、牧草牛はほとんどといっていいくらい病気をしません。

これは穀物で育った牛ではありえないといっていいでしょう。
黒毛和牛の小腸などは脂がとりまき、小腸は軽くひっぱっただけでブツブツと切れます。

人間も同じなのですが、腸が弱くなると感染症などに弱くなるもの。

だからといって、牧草を食べても人間は健康になりませんからご注意ください(笑)

ミンチの秘密

ミンチ

いろんな料理に使えるし、値段も安いので、便利なアイテムですよね。
当店のネットショップでもミンチはとてもよく売れます。

でもミンチに対して不安をお持ちの方も多いようです。

脂身が多いんじゃないかとか、変な肉混ぜてるんじゃないかとか。

ヨーロッパでも、牛肉ミンチに馬肉が混入していたと大騒ぎになりました。

またマクドナルドがピンクスライム肉(薬剤使用)を使用しているとの話も世間をにぎわせました。

思い起こせば日本でも、ミートホープという会社があらゆる肉のくずというくず肉をかき集めてミンチにして、某生協さんなんかのコロッケに使用していた事件もありました。

毒餃子事件も、段ボール肉まん事件(懐かしい・・・)も、ミンチが使われた食品です。

不安のあまり、お肉の塊を自分で購入して、ミンチを挽く方も少なくはありません。

はっきりいいます。

ミンチは不安です(笑) いろんなことができます。儲けようと思えば思うほど・・・

それではミンチではどんなことができるのか。今日はその秘密のひとつをご紹介してみたいと思います。

下記画像は、交雑種2等級のリブロースカブリという部位です。カブリも赤身が少ない部分を厚めに切り落としたものです。脂身比率はざっと70%程度でしょうか。赤身の部分もスネなどとくらべると、色が浅いです。

上記の原材料を1度粗挽きミンチにかけます。

こんなミンチ、お店で販売してたらクレームものですよね。脂身の多さが一発でわかります。

それではこのミンチをもう一度粗挽きミンチにかけてみましょう。


また少し脂身っぽいのが残ってますが、なんだかとっても赤身の多いミンチになりました。

もう一度粗挽きミンチにかけてみます。

なんと脂身はほとんど消えて見えます。
もともとの赤身がそんなに色が濃いものでなかったので、不自然なピンク色になってますが、知らないひとがみたら、「まあ、きれいなミンチ♡ 脂身も少なくてよさそう!」となるのではないでしょうか。

今回の秘密の結論は

「脂身は消せる。」

40%~50%の脂身なんてたやすいもの。70%の脂身も消せるということです。

糖質制限食を理解されている方は脂身に対する理解もあり、「なんだこれで安ければいいじゃないか」と思うかもしれません(笑)
でもちょっとやりすぎですよね。

<<重要>>
今回のミンチはあくまでも自家用です。 当店の販売しているミンチは基本的には脂身比率5%程度です。
ケトジェニックミンチは30%に設定しています。
鹿児島放牧黒豚のミンチも脂身比率は高く10%程度です。黒豚は脂身がおいしいですからね。

さて、また気が向いたら、ミンチの秘密の続編を書きます。
いっぱいありすぎて・・・

牛肉の格付けが意味すること。ご存知ですか?

2017年12月9日の日本経済新聞についてきた「NIKKEIプラス1」に実に興味深い記事が載っていました。

お肉の知識をクイズ形式で楽しく知ってもらうのが趣旨のようです。

当たり障りのない問題ばかりだろうと思っていたら、これはいいのか(笑)という核心をつく設問がありました。

下記の画像の答え、みなさんわかりますか?
日本経済新聞

念のため文字起こししておくと、
A5やB4など、牛肉の格付けを決める基準ではないのは?
①きめの細かさ
②おいしさ
③霜降り状態
④精肉にできる割合

知っている方にとっては簡単ですが、答えを知るとびっくりされる方も多いと思います。

答えは、ずばり ②おいしさ なんですね。
格付けがよいからといっておいしいとは限らない。
おいしさは格付けできない」といってもいいかもしれません。

少し解説しますと、A5という格付けは、ローマ字部分と数字部分から構成されています。

このローマ字の部分が「歩留まり等級」と呼ばれるものです。
歩留まりにはA等級~C等級まであります。

「一頭の枝肉から、お肉がどれだけ取れるか」という基準です。簡単にゆうと余計な脂身が多いか少ないかということです。
Aが一番余分な脂が少なく、良いとされています。

設問の答えでは、④精肉にできる割合 ということになります。

数字の部分は「肉質等級」と呼ばれています。
5~1等級まで5段階あります。

この肉質等級は、

・牛脂肪交雑基準(B.M.S)
・牛肉色基準(B.C.S)
・牛脂肪色基準(B.F.S)
・肉の締まりおよびきめの細かさ
をみて総合的に判断します。

設問の答えでは、
①きめの細かさ
③霜降り状態
が該当します。

日本のの格付け基準では「おいしさはまったくわからない」ということです。

「牛肉の格付け 編 」についてもう少し詳しく知りたい方は下記記事もご参考に。
https://butcher.jp/hpgen/HPB/entries/19.html

ですが、これは仕方ないことなのかもしれません。

なにをおいしいと感じるかは千差万別です。個人個人かなり違うものです。
赤身をおいしいと感じる人もいれば、脂身を好む人もいます。

ですが、一番気を付けてもらいたいのが、

「〇〇牛」だからおいしい

と思いこまないでほしいということです。

FBなんかの投稿でもよく見かけるのが、

「黒毛和牛はおいしいね」、「あか牛は健康的でおいしい」とか、さらには銘柄名まで持ち出している投稿です。

別にこれに突っ込みをいれようなんて思いません。

でも、牛のおいしさというのは、

1:何を食べたか 「穀物飼料」か「牧草飼料」か、その割合はどうなの? どんな穀物?どんな牧草?
2:どのくらいの期間育てたか

で大きく決まります。

今はやりの通年放牧(肉牛ではほぼ無理)かとか畜種や血統がどうだとかは2の次です。

赤身肉ひとつにとても、穀物飼料メインの赤身と牧草飼料メインの赤身ではまったく仕上がりが異なります。

穀物飼料でも、トウモロコシ中心なのか、小麦や米中心なのかで、味は大きく変わります。

牧草飼料も、枯れた稲わら(日本の農家の多くがこれを牧草と呼ぶ)、なのか、青々としたマメ科・イネ科飼料なのかで
代わります。

そして育てる期間によって、大きく影響されます。

あなたがおいしいと思うお肉に出会ったら、「飼料は何がメインか」、「肥育期間はどれくらいだったのか」くらいは押さえておくとよいかもしれません。

九州牧草牛プロジェクト 経過報告

ひさびさのブログです。
昨年末くらいから、ご注文を多くいただくようになりました。本当にありがとうございます。
また同時に深刻な人手不足に陥り、ブログはお休みしておりました。

ひさびさにログインすると、多くのコメントをいただいておりました。
お返事できずに申し訳ございません。

これからはこころを入れ替えて、頑張ります(笑)

【栄養学】というものについて、ほとんどの人が学ぶ機会がなかった知らないで生きてきて、なにやらTVや雑誌で聞きかじってきたという方が
ほとんどかもしれません。

糖質制限食が広まっていくと、私たちが教わってきた栄養学はなにかおかしいな?と感じる方が多くなっている感じがします。

そして正しい生化学や生理学、栄養学を学びたいという方が多くなってきています。
私自身これらの分野については新参ものです。
日々新しい知識に驚かされるばかりです。

「牛は反芻動物である」という意味を理解したのはほんのつい最近です。
肉屋になって十数年立ちますが、その意味をわからないまま牛肉を売っていました。
はずかしい限りです。

牛肉にはグラスフェッドとグレインフェッドがあります。
前者は牧草で育ち、後者は穀物で育てられています。

グラスフェッドは安くて、あまりおいしくない牛肉
グレインフェッドは、少々高いが、霜降りが入っておいしい牛肉

そんなイメージ的なものしかありませんでした。

オーストリア産やNZ産のグラスフェッドについては私の先代のころから取扱いを始めました。
でも正直いって、あまり評判のよいお肉ではありませんでした。

「かたい、くさい、おいしくない」、「でも安い。」
お客さんからの評価は概ねそんなものでした。

そんな中「赤身ブーム」に突入しました。

・USビーフの輸入再開
・高齢化により脂身を受け付けなくなってきた。
・霜降り黒毛和牛の高騰

いろいろな要因が重なって「赤身」が重宝されるようになりました。

牧草牛への理解が広まるにつれて、当店のネットショップでも牧草牛についての問い合わせ・売上が急増しました。

牧草牛についての知識はこれっぽっちもありません。

そこで、農家の協力を得ながら、自分で育てることにしたのです。

こうして「九州牧草牛プロジェクト」は始まりました。
いまから約2年前のことです。

詳しくは次回のブログに譲るとして、プロジェクトを通して学んだことをまとめてみました。
お時間あればお読みください。

学問所通信 第25回 本当に栄養のあるお肉とはなにか~牧草牛編~
https://butcher.jp/hpgen/HPB/entries/41.html

学問所通信 第34回 反芻動物の栄養生理学
https://butcher.jp/hpgen/HPB/entries/50.html

学問所通信 第35回 反芻動物の栄養生理学 その2
https://butcher.jp/hpgen/HPB/entries/51.html

学問所通信 第35回 反芻動物の栄養生理学 その3
https://butcher.jp/hpgen/HPB/entries/52.html

学問所通信 第35回 反芻動物の栄養生理学 その4
https://butcher.jp/hpgen/HPB/entries/53.html

九州牧草牛販売コーナー
https://butcher.jp/SHOP/158738/list.html

次回のブログでは、九州牧草牛プロジェクトについて総括したいと思います。