お肉の上手な保存法 その1

学長です。

九州地方は梅雨入りをしました。
店頭のお客様も天気の様子をみて、晴れたら「BBQしよう!」みたいな感じです。
週末だけでも晴れてほしいのですが、晴れると急に忙しくなるので、なんとも見通しの立てづらいシーズンです。

梅雨時期になると、気になるのが食中毒ですね。まあ、年中行事のような感じになってしまってますが・・・
アニサキスの食中毒は連日報道されてますし、鶏肉の生食でのカンピロ食中毒も頻繁に起きてます。
幸い死亡事故はここ最近おきていませんが・・・食中毒にはなりたくないですよね・・・

国産も外国産もお肉の値段は高くなる一方。
スーパーなどで安いときにまとめて購入して、
小分けして冷凍ストックするという方も多いと思います。

ほんとうはこれ、やめたほうがいいのです。
お肉をなるべく長期保存しつつ食中毒を避ける、かつお肉のおいしさを維持するにはベストな方法では
ありません。

ではどうすればいいのでしょう?

その前に「冷蔵保存」について確認しておきたいと思います。。

冷蔵保存について

スーパーで買ってきた冷蔵のお肉をパックのまま家庭用冷蔵庫にいれたままにしておくと、いずれ変色したり、においがでてきます。
つまり腐りますよね。 2~3日、早ければ翌日には腐っていた、なんてこともあります。
ミンチなんかはとくに変色が早くなります。

多くの低温食品で腐敗のもととなる腐敗細菌は0度~25度(至適温度は15度~20度)で発育します。
冷蔵庫の温度が低いほど、腐るスピードは遅くなります。
ご家庭の冷蔵庫って開け閉めの多いですよね。
表示温度は5度くらいでも、平均は10℃以上の時間がほとんどでなのではないでしょうか。
これでは腐るスピードは速くなってしまいます。

でも「腐った」=「食中毒を起こす」とは簡単にはいえません。
まあお腹は下すかもしれませんが。

多くの食中毒菌の発育温度が15~45℃(至適温度は35~38℃)です。
なので冷蔵庫できちんと保存されている限りでは、
変色したから、においがでたから、
食べられないということではないのです(十分な加熱が前提です)。
でもなにぶん相手は目にみえないウイルスと細菌です。
あえて立ち向かいたくはないですよね。

今、ほとんどの冷蔵庫にチルド室がついてますね。
だいたい0℃です。
腐敗細菌もこの温度だと増えにくくはなります。
なので、「長期保存」と謳い文句にしているわけです。
でも腐敗細菌が死滅するわけではありません。
温度が上がってくれば、それなりの反応が起きてしまいます。

このチルド室、とてもいいのですが、普通「小さい」ですよね。
開け閉めしない時間が長いと、お肉の表面が凍結してる場合があります。
こうなると温度上昇とともにお肉からのドリップが増える要因になります。
そして食感も損なわれてしまいます。
これを「緩慢冷凍」といいます。ご自宅の冷凍庫でお肉を冷凍すると緩慢冷凍になってしまいます。
もっとも避けたいお肉の冷凍保存状態です。

というところで、長くなりましたので、「冷凍」については次回に。