肉屋は意外とステーキを焼くのが下手です。
某近江牛のあの方はとても上手です。ステーキを焼くのがうまい肉屋はおいしい肉を売っていると実感します。
肉に向かい合って、おいしく焼き上げる場数がそんじょそこらの料理人よりも多いからでしょう。
もちろん食べる量も多くなります。
そんな肉屋はあまりありません。
実は私も牛ステーキはあまり好きじゃありませんでした。
食べますけど。
肉を食べてるだけで、本当においしいステーキを食べてるという実感はしませんでした。
なんのことはない。焼き方を知らなかったんです。
当店の店頭でステーキを買われるお客様はだいたい1枚を150gから200gにして、人数分購入されます。
でも国産牛で200gのサーロインですと、厚さはわずか1cmです。
和牛の霜降りだともっと版が大きいので、厚さ1cmを切ってしまいます。
理由はもちろん、一人あたりのコストにもあります。
多くのお客様からの聞こえてくるのは「厚いと焼きにくいから」。
それはある意味正しいのです。でも薄いと生焼けになるか、焼き過ぎになるかどちらかしかありません。
※それでも上手に焼くひとはいますけど。
でも本当においしいステーキの焼き方。
それはブラック&ブルなんです。
厚いブロック肉を表面はこんがりカリッと中はピンク色のレアに焼きあげる。
これがほんとうにおいしいんです。
お肉の選び方
- なるべく赤身を選ぶ。国産牛のロースであれば2等級程度。モモであれば3等級程度がよい。
- 厚さは最低でも3cm、4cmくらいがベストです。
- NZ産牛は版も小さく、3cmでも300gくらいなのでとてもいい。
和牛の霜降りはオススメしません。
また一枚を一人で食べるのではなく2~3人で食べるイメージです。
用意するもの
- 上質なラード(笑) 50g程度
- 塩コショウ
- ブラックペッパー
- 肉温度計
慣れてくれば肉温度計に頼らずともいけるのですが、これがあれば焼き加減バッチリになります。
焼き方
フライパン(肉の大きさにぴったりの小さいフライパンがいい)にラードを入れて強火で熱します。
しっかりと塩コショウをした肉をフライパンで焼きます。中火で焦がさないよう肉全体に焼き色をつけていきます。
(※肉が冷凍の場合はしっかりと解凍してください。)
次に弱火にします。
ここからは根気がいります。
肉の表面が乾かないようスプーンでフライパンの中のラードをかけながら、ディープフライしていきます。
裏返して、トータルで1分半ほどこの作業を繰り返します。私はこのタイミングでブラックペパーをかけるのが好きです。
いったん火をとめ、肉の中心に肉温度計をさして、温度計が40度~50度になればベストです。
温度が足りないようでしたら、再度焼きを入れます。
蒸らしてもいいかもしれません。
肉の表面はカリッとこんがり焼き上がり、肉の内部はおいしそうなピンク色になります。
いわゆるレアですが、生焼けの赤色でもないし、食感も生がダメなひとでも大丈夫なくらい熱が行き渡っています。
このピンク色はフランス人にはブルーに見えるようです
そして表面はこんがりブラック。
なのでブラック&ブル(英語でレア)という焼き方で呼ばれているようです。
※実際のレアは肉中心温度が60度くらいなのですが、私は50度くらいが好きです。
※ちなみに英語でブルーという焼き加減はほぼ生にちかい。
ぜひお試しください。
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